「麻婆なんとか」
 
麻婆豆腐・麻婆茄子・麻婆春雨 子供たちの大好物である。麻婆なんとかのレトルトパックを買って、豆腐を買って作ってもいいが一人用には多すぎる。挽肉・生姜・胡麻油・トウバンジャン・ネギで簡単に作れる。トウバンジャンは1本買えば半年から1年持つ。ネギがあれば買うのは挽肉とあとは「なんとか」があればできる。
 「なんとか」が豆腐・茄子・春雨の3種しかないので、他にどのようなものが合うのかいろいろと試してみた。有りそうでない。上記3種に共通しているものは「白々しい」という点である。白い豆腐、白く透明な麺状のもの、外側が紫だが中は白っぽくて味が淡白な茄子。「白くて味が蛋白なもの」でなくてもいいかもしれない。
 三陸の名物に「漉き昆布」がある。現地で買えば安い。保存食品である。しかもどこに行っても同じような煮物料理しか出てこない。「他に食べかたはないのか」といつも思っていた。岩手県の三陸地方ではどこでも出てくる郷土料理だが「うまい」と思って食べた経験がない。「名物料理だから出している」「材料が安い」という程度の、ドラマでいえば「通行人」か「その他A」の扱いである。
 私は漉き昆布を「料理の鉄人」を呼んで料理してほしいと思っている。「薩摩揚げ・油揚げと人参が入った醤油味の煮物」以外の料理である。
 この漉き昆布で麻婆漉き昆布を作って見た。結果はおいしくなかった。昆布を油で炒めると変な味に変ってしまう。大失敗だった。
 相手か挽肉だから肉以外、かつ形が変化しない、そして身近にあるもの。


麻婆コーン
 
レトルトの「麻婆」に缶詰のコーンを入れてフライパンで炒めるだけ。一人では量が多い。
麻婆インゲン
 
盛岡の実家でお盆に帰った時、インゲン豆をたくさん頂いた。「どうやって食べる?」と妻に聞かれて即座に「麻婆インゲン」と答えた。「あなた作って」 「はい」
 インゲンを茹でて、斜めに細切りにした。別に挽肉を胡麻油で炒めて、トウバンジャン・醤油で味付けし、最後にネギを入れた。片栗粉を水で溶いて固めないとインゲンから挽肉が落ちてしまう。これも大勢の夕食時に結構売れた。
 干遍豆刀(ガンペントウトウ)という中華料理であると14年2月 ホームページを見た人から教えてもらいました。
麻婆大根
 これは味噌メーカーの料理コンテストに応募した。鳥肉の挽肉を使い、大根の細切りと炒めて味噌味(オリジナルの味噌料理募集)にして、最後に卵を入れて和えた。三男はご飯にかけて「うまい」と言ってお替りした。味噌メーカーから入賞通知が入った重い段ボールが届いた。普段は買えない高級味噌数種類とペットボトル入りのミネラルウォーターがたくさん入っていた。私のオリジナル料理が入賞したのだ。(でも3種類応募したので、この料理が入賞したのかどうかは分からない)

 もうひとつ試していないメニューがある。「麻婆ご飯」だ。豆腐も茄子も無い時に試してみたいが材料をケチっているようでお客には出せない。


秋の親子なべ(レシピ掲載)
 
平成9年の秋、青森市三内丸山遺跡で「縄文なべコンテスト」が行われた。主催者は青森県教育委員会である。
「古代からある材料を3つ以上使用する」
「青森県の特産品を3つ以上使う」
「屋外で料理する」という条件でオリジナル作品を募集していた。
 遠く八戸から青森市で行われた予選に出場し、見事通過した。合計3組が三内丸山遺跡シンボルとなった六本柱のところで本選に出場した。出場者受け付けで「○○親子組」と申告し、離れたテントの中で待っていた。他の参加者が来て「○○親子組」を見て、私と子供(当時小学4年生 もちろん男の子)を見て「あなた方も参加するのですか?」とビックリしていた。
 20人前の「縄文なべ」を1時間で、観客の目の前で作る。時間内で作れなければ失格。「料理の鉄人」と同じようにアナウンス・インタビュー付きの中で我々親子は楽しそうに料理を作った。結果は2位入賞。後日「東奥日報」の夕刊第一面に3組の縄文なべがカラー写真で掲載された。翌日取引先の部長に会った時「あなたの料理が昨日の夕刊に出ていましたね」と言われた。私はこの新聞を取っていなかったのであわてて入手した。宝物にしている。
 はっきり言っておいしくない。でも素朴なやさしい味である。縄文時代には醤油・味噌がなかったし鰹節があったかどうかは分からない。胡麻も胡瓜も胡椒も「胡」の字がある。「胡」とは中国から仏教とともに、遣唐使・遣随使により伝来したものである。縄文時代から見ると精進料理は新し過ぎるのだ。醤油を使わずに味噌も使わずに化学調味料や出しの素を使わないでうまいものは作れない。でも味付けのためにうすくち醤油を少しだけ使用した。
 材料は天然で採れるものを使用した。山の中や海にあるものは遣唐使と一緒に渡来したものではない。青森県産の材料はお手のものである。津軽の物だけではなく県南地方(旧南部藩)の食用菊「阿房宮」も使った。長芋はりんご・にんにくと共に青森県を代表する農産物である。ホタテはむつ湾の特産品である。鮭は東北の川に遡上してくる。東北地方は山だらけできのこ採りが盛んだ。鮭の身と卵が親子、作るほうも親子。我々親子が料理している写真がJR東日本のキャンペーンパンフレットに使用された。

秋ざんまい
 
高速道路サービスエリアで「オリジナルメニュー」「食べたいメニュー」を募集していた。三男と一緒に考えた「秋ざんまい」という丼で応募した。栗ご飯に舞茸・茄子などの天ぷらを載せた季節の丼である。豪華に見えて、提供単価が安くなるように知恵を絞った。
 銅賞の通知が来て商品券が入っていた。喜んだが銅賞には「食べたいメニュー」に「これも出しておこう」と締切日前日に応募したトルコライスが入っていた。秋ざんまいは落選した。

 以上3件が私の料理コンテストに関する入賞経験である。

私のオリジナル料理